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卒業
3月末にスクールの卒業を希望する生徒がいて、「卒業プレゼンテーション」が開催されます。
そんなことで、今回は「卒業」のテーマで書いてみます。
本来に立ち戻ったサドベリースクールでは、「卒業」も本来の意味で使われています。
○歳だから、○年生だから卒業とかではありません。
もともと、「卒業」という言葉は「そのステージでやり切って、次のステージへステップアップしていく」という意味だと思います。
なので、サドベリーでは卒業の年齢は決まっておらず、生徒本人が「サドベリースクールでの学びをやり尽くしたので、次のステージへ出ていく」と決めたタイミングで卒業を希望し、卒業プレゼンテーションを経て、卒業が認められるという形です。
「西宮サドベリーの卒業生」というと、一般の人たちから見れば、「西宮サドベリーで学ぶとこんな子に育つのか」という一つのモデルに見られます。
なので、卒業プレゼンでは「スクールで何を学んだか」、「卒業してからの進路」などを説明することももちろんですが、「きちんとサドベリーの理念を理解しているか」をジャッジされます。
卒業プレゼン・質疑応答を経て、スクールの生徒・保護者・スタッフから過半数の賛成をもらえれば、晴れて卒業生として認められます。
そんな工程を経て、きちんと「卒業」をした西宮サドベリーの卒業生達に、機会があれば、ぜひ会ってみてください。
日本のサドベリースクールを見回しても、スクールを出てからの進路は様々です。
自分のやりたい事を追求していくために、大学に進学する子達もいます。
1年以上かけて、世界一周の旅をしたり、日本一周旅行をしている子達もいます。
ゼロから農業を学んで有機農業での農家を始めた子、ミュージシャンでCDをリリースしたりライブをしたり音楽活動をしている子、オーナーシェフで料理屋さんを始めた子もいます。とっても美味しいです。IT業界に就職した子も。
スクールにいる10歳くらいから競馬が好きで、現在では競馬のライターになった子も。
普通にサラリーマンをやっている子もいます。
サドベリーでの学びを生かして、教育分野で活躍している子もいます。
みんなが「自分のやりたい事」を追求していくので、本当にその進路は多種多様ですが、共通して言えることは、「今の自分に満足している」こと。
本来で考えれば、この事がいちばん大切な事だと思うのです。
ー西宮サドベリースクールー
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とことん追求する、学びの深まり
サドベリースクールの学びは、「自分の学びたいことを学びたいだけやっていく」ことにあります。
なので、子ども達がいろいろな学びをしていく中で、自分の中で「とことん追求してみたい」学びは、本当にとことんまで、追求されていきます。
例えば、将来はプロサーファーを目指す17歳の子。
現在、ジュニアでは日本ランキングも上位ですし、大会でも優勝や入賞をしていて、スポンサーがついていたりもします。
元々は、大阪南部に住んでいる子なので、近くにサーフィンを練習する場所はなく、週末に保護者の方に車で送ってもらって、海でサーフィンの練習を集中してやっていく、という形でした。
そして海に入れない平日は、ランニングやジムでの基礎体力作りや、体幹トレーニング、キックボクシングを取り入れてのトレーニングなどを行なっていました。
スクールのプロジェクトとして学び予算から、ジムでのトレーニング代や大会への遠征費、エントリー代などを獲得して、学びを深めていきました。
けれども、この方法でトレーニングを進めていく中で、本当にプロを目指すのには、海での実際のトレーニングが圧倒的に足りない、とというこの子の思いがあり、現在では、練習拠点を四国に移して、ほぼ毎日、海でのトレーニングを行える環境を得ることに成功しました。
このことで、本人の実感としても、かなりスキルや経験が上がったとの手応えを持っているそう。
プロ試験に向けて、ハワイやバリなどでの海外トレーニングも行っています。
スクールのプロジェクトも、四国での宿泊費などを中心に支援していたりします。
西宮サドベリーでは、サーフィン以外でも、いろいろな学びの深まりが存在しています。
コーヒーがとても好きで、将来カフェを持ちたいという子が、プロジェクトでコーヒーコーディネーター養成講座の勉強をして12歳にして資格を取りました。美味しいと評判のカフェを飲み歩いたり、焙煎教室に参加してみたり。
テレビゲームが好きな子達の中にも、プロゲーマーを目指す子がいたり、大会に出ていたり、上位1%のランクに入るほど練習して研究して上達していたり。
電車が好きな子は、自分のYouTubeチャンネルを持っていたり、SNSを通じて同じ趣味の大人達とも交流しながら、小遣いで買った一眼カメラでの電車の撮影に出かけていたり。
そのほかにも、
・手話検定や秘書検定を勉強
・ブラックバス釣りのプロを目指して、毎日早朝から河川や琵琶湖へ行って練習。大会でジュニア優勝
・先生に来てもらってギターを教わる、ボイストレーニングの教室に通う
「自分の学びたいことを学びたいだけやっていく」ことができるサドベリースクール では、とても自然な形で学びの深まりが行われて行くのです。
ー西宮サドベリースクールー
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与えられた中で生きていく
サドベリーに来ている子でもたまに、「何となくサドベリーが面白くない」という子がいます。
そしてそういう子達はみんな、小中学校を経由してサドベリーに入学した子達。
彼ら/彼女らを見ていると、「サドベリーに既にあるもの」の中だけで楽しんでいるのです。
それは、スクール内での友達だったり、スクール内でみんながやっている事だったり、他の子に誘われた事だったり。
なので、それまで一緒にいた友達と、みんながやっている事と、誘われた事と、自分がぴったり来ないものになってくると、「何となく面白くない」となるのです。
そもそも、たまたま今、スクールにいてる子達や、みんながやっている事や誘われることは、完全なる偶然の要素なので、その子本人が本当のところで「面白い」と思えることの方がやってくる可能性の方が低いのです。
彼らが小中学校で経験して来た「与えられたことをこなす」ということは、サドベリーには存在しません。
また、彼らが大人になって自分の望む生き方をしていきたいなら、「与えられたこと」の中から選ぶのではなく、全く枠の無い本当のすべてのものの中から、自分がいちばんにやっていきたい事をやっていく他ありません。
サドベリースクールの学び環境の醍醐味は、その子本人が本当のところでいちばんにやっていきたい、と思うことを、全くそのままやっていける、無限の可能性です。
もし、自分のやりたい事に対して、教えてくれる人がいないなら、プロジェクト予算を使って、専門的な人のところへ行けばいいのです。
もし、スクールにいてる生徒の子達に物足りなさを感じるなら、全国のいろいろな興味を惹く人達のところへ、スクールの学びとして回ることができます。
もし、スクールの学び予算が足りないのなら、クラウドファウンディングやバザーなどを使って、お金を生み出せばいいのです。(生徒の子達が自分達で自由に使える学び予算は年間300万円ほどあります)
与えられるものに比べると、自分で考えて、動いて、自由に学んでいく事は大変ではありますが、彼らが大人になって自分の望む生き方をしていくには、絶対に必要な事なのです。
そう考えると、自分のやりたい事がそのままやっていけるサドベリーの学び環境が「何となく面白くない」となることは、無いのでしょう。
ー西宮サドベリースクールー
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4月になったら入学する
サドベリーに見学に来る人達の中にたまに、「4月になったら、絶対に入学します!」という子がいるけれど、ほとんどの確率で、4月になってその子がスクールに来ることはありません。
これも、サドベリー的に本来に立ち戻って考えると、当たり前なことで、その子が見学に来て、体験もしてみて、「本当にこの学校に入りたい」と強く決心したのは、その瞬間であって、4月ではないからです。
気持ち的には、理解はできます。
小中学校をはじめ、社会の多くの年度としては、4月はとても大きな区切りですし、例えば今くらいの2月とかに見学に来ると、そういう気持ちになるのかもしれません。「小学校を卒業したら中学から来ます」、とかも同じ。
けれども、それはその時点で、小中学校の価値観の呪縛に縛られてしまっているのです。サドベリースクールでは、入学時期はあえて決まっていません。それは上に書いたような、本来的に「自分の中で決心した時が動く時」と考えるからです。
2月に見学に来て、「この学校に入ろう」と決心した。けれども、4月まで入らなかったとしたら、その間の2ヶ月間は、その子の中でどんな意味の時間になるのでしょうか?
もう、それまでに通っていた小中学校からは気持ちが離れているので、キリがいいと思って年度の最後まで通い続けたところで、全くもって意味を持たない時間になってしまうでしょう。この時間は、その子にとってとてもとても大切な時間に違いありません。それを無駄にしてしまうとしたら、本当にもったいない事だと思うのです。
さらにある事としては、4月を待っている余分な時間のうちに、自分の熱意はどんどん冷めていってしまいますし、「どうしてサドベリーに入りたかったのか?」も、どんどんぼやけていってしまいます。
そんな中で、頭を使って、自分がサドベリーに行っても大丈夫なのか?と考え始めると、どんどん不安が大きくなっていきます。まだサドベリーに通ったこともなくて、今それを心配してもしょうがないのに、です。
せっかく、サドベリーを見つけて良いと思ってくれたのなら、もっともっと自由に、本来的に、動いていってほしいと思うのです。
サドベリーに合わなくなった子が「今月いっぱいで辞めます」、も同じ。サドベリーから気持ちが離れてしまってからの、その子の大切な時間がとてももったいないです。
ちなみに、西宮サドベリーでは、辞める場合も日割りで学費を返金しています。本来的な選択をしてほしいからです。
いろいろなしがらみや理由がたくさん存在しているのは、理解しています。
けれども、とてもシンプルに、その人の中での「いちばんの選択」をその瞬間瞬間で選んでいくことを、「基準」として考えてみるだけでも、シンプルで本来的な生き方に、少し近づくと思うのです。
ー西宮サドベリースクールー
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『Profile』-
倉谷 明伸 (ぐら)
兵庫県宝塚市生まれ・在住
甲南大学 社会学科卒。卒論テーマは「子どもの友人ネットワーク研究」。
大学卒業後、2年半の会社員を経て、自分の本当にやりたかった「子どもの面白い感性に触れられる仕事」として、サドベリースクールのスタッフを選択。
アメリカ・ボストンのSudbury Valley Schoolを始めとして、関西圏の約20箇所のオルタナティブスクール、ホームスクーリングなどを視察する。
西宮サドベリースクール創立時から15年間、生徒投票によりスタッフを続けさせてもらっています!
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